スキップしてメイン コンテンツに移動

ワークショップにまつわる事

忘れもしない、2008年の春にブックオフで古本を物色していたら、

当時のバンドメンバーくまちゃんからの着信があった。

「辻堂のレゲエバーで、日曜お昼の時間帯を有効利用したいらしいので、
ジャンベのワークショップやらない?紹介するよ」と。



当時は、9ヶ月のギニア滞在から帰ったばかりで、人とリズムを共有したいという

想いが強かったので、それはうってつけのお誘いだった。

 友人のそのお誘いから「教える事」を始めることになり、今に至るとなると、

くまちゃんにも感謝しないと(現在、山梨でチェチェメニってパン屋やってます)

レゲエバー?ドリンク付き?アラカリ?日本人?と初回は話題が話題を呼び?

来場者18人という記録的な集客になり、初仕事+キャパを超えた人数にドギマギ

していたのを思い出す。
(そして今思えば、その初回のクラスに参加してくれた一人、

梅ちゃんとは縁があり、今アフリカサカバで一緒に演奏している。)

 しかし翌週になると、参加者数は半分になり、その翌週はまた半分と、

段々と生徒さんが減っていった。

その原因は、きっと当時の僕のアフリカンに傾倒する熱量と、

来ている人が求めてる、気軽にアフリカ、ジャンベっぽさを

楽しみたいという現実に、溝があり過ぎたからだと思う。

が、当時の僕は知る由もなかった。

人が増えたと思ったら、減って来たり、生徒一人だけの時があったり、

まさかの誰も来なかった!日も体験し、辞めようと思った日もあった。

それでも、続けて来てくれる固定メンバーが出来てくると、ワークショップは

「ただジャンベを教え、学ぶだけではなく、新しい人間関係の場となる」

という事を学ばせてもらう事になる。

夕飯を一緒に食べたり、同じライブを経験したり、ワーク以外の時間を大切に

する事で、ジャンベ太鼓に対する感覚はそれぞれなんだと気づく。



 教えるペースにしても、生徒さんから直接ご指摘があった事で、

それまで2ヶ月で1曲詰め込みペースだったのを、

1年以上かけて1曲をじっくり伝えるペースにシフトチェンジしていった。

お店の閉店に伴い、レゲエバーでのワークショップは、1年ほどで終了したが、

その中の友人が新たな場所を探してくれたおかげで、

今のスタイルに続く礎を作ってくれた。


 10年前、初めてクラスとやった時には、思ってもみなかった事だが、

生徒さんと共に「セッセマーラーズ」を結成し、ライブに出演したり、

今現在、週4〜5つのクラスと、月1〜2回の特別クラスをやり、

ワークショップが自分の生活の中心となっている。


10年もやっていれば、良いことも、悪いことも、イレギュラーも、高い壁も

色々経験させてもらった。妻に本気で「辞めよう」と相談した時もあったが、

「いやーないでしょ!」と一笑してくれたおかげで、今日まで続けて来れた。



 そして、教えているつもりが、実は多くのことを学ばせてもらって、

助けられて今があると思うと、関わりのあった全ての方に感謝しても仕切れない。

と同時に、もっと多くの人と出会って、ジャンベの楽しさを伝えたい!という欲が

最近出て来ている訳です。



今現在、様々なレベルでクラスを開催していますが、どのクラス

「そのリズムを初めて感じた時の楽しさ伝える」事を一番に意識しています。

何故なら、楽しみから発生したリズムには、リズム自体に楽しさがあり、

出来ない楽しみがあり、習得する楽しみがあり、

リズムのボキャブラリーを増やす事が、

直接自分の「楽しさ」の可能性を広げる事になる。

と僕が信じてジャンベを続けている事が出来ているから。

そして掴んだリズムをそれぞれの感覚に落としてもらって、

その人自身からそのリズムが発せられるようになるまでをサポートするのが、

ワークショップでの僕の仕事だと思っています。


今年で10周年を迎えるアラカリワークメンバーと先日ライブがありました。

今年で5年目?鎌人いちばでのオープニング演奏。



ジャンベの4クラスが、同じテンポ感でそれぞれの曲を立ち代り演奏しました。



まだまだですが(笑)みんな頑張って練習してくれました。

そして6月にはアラカリ合宿があります。

クラス分けなく、参加者全員で1曲を完成させるジャンベ強化合宿。



アラカリってどんな人?ジャンベの楽しさ?

気になった人は是非遊びに来て下さい。facebookページ

今後も、自分の生業として、多くの時間を費やすワークショップですので、

アフリカにリスペクトを込めて、来てくれる人に感謝し

試行錯誤しながら、愛を持ってやっていきます!

アラカリ大輔


 




コメント

このブログの人気の投稿

ジャンベの叩き方〜音だし 手のひら編〜

ジャンベには基本の3つの音がある。 「ドン」「トン」「カン」 一つの打面だが低音、中音、高音と音質が変化する。 それに、ダイナミクス(音量の上げ下げ)や、微妙な倍音をわざと出したり、 ちょっとしたことで音は変わるから、 実際は3つの音だけでは無い。  しかしながら、1番大切な三つの音を先ずは出せる様にしよう。   ここから僕の感じた3つの音の出し方を書きます。 あくまでも個人的な見解なので、「そんな感じもあるんだ」くらいに読んで下さい。   立って叩く場合でも、座って叩く場合でも、打面がおへそからおへその少し下に 来る様にジャンベをセットする。 座って叩く場合は、ジャンベ下部の穴を塞がない様に、ジャンベの打面を 少し奥に傾けて、それを両膝の内側で支える様に座る。   肩の力を抜いて、ジャンベのふちに両手を置く。 この時、 ジャンベのふちのアールに合わせて 、自分の手を少し曲げ、フィットさせる。 頬杖付いたときの、手の形の様に、対象を包み込む感じです。 これが、基本の姿勢である。あくまでも 自分にとって自然な姿勢 でこれをキープします。 ドン/低音 /ベースの出し方 3つの音の中でも比較的出し易く、認識し易い音で、一言で言うと、 リムの内側、打面の中央辺りに腕の重さを乗せて、手のひら全体で叩く。 初めは、叩くというイメージよりも「腕を落とす」とイメージする。 例えば、手首に糸を巻いて、脱力した腕を吊り上げられた状態で、 誰かにその糸を、急に切られた様な感じ。 手のひらが皮にぶつかった瞬間に来る反発を素直に受けたら、 トランポリンの要領で、手のひらが上に跳ね上がる。 体重が乗れば乗るほど、落下スピードが速ければ速いほど、反発も大きくなる。 手のひらが当たった時、手のひらの中央は皮にはぶつかっていない。 でも、重心はそこ(手のひら中央)に持ってくる。 音は、太鼓下部の穴から抜けて来る感じ。 それがドンの音。 トン/中音/トニックの出し方。

アフリカ人的リズムの感じ方

  アフリカ人ジャンベ叩きと一緒に叩いたり、観たり体感したことのある人には、 分かるかと思うのだが、アフリカ人のリズムには、何か異質のエネルギーを感じる。   根源的で、野性的で、生命力そのものの美しさ、 それでいてユーモアまで感じるエネルギーを含んだリズムとでも言い表すべきか? 僕自身も色々な理由からジャンベを続けてこれたが、 「アフリカ人の様なフィーリングで叩きたい」 という思いが常にあった。 「一体何が、我ら日本人と違うのか?」と思いたって、アフリカ人の演奏を観察し、 時に同じ生活をする事で見えてきた違いは、 音量、スピード、熱量、前ノリ感、独特の間、ポリリズム感など、 挙げたら切りが無い。 が、その違いを一つ一つ理解して、日本人らしく、論理的かつ柔軟な感覚で アフリカンフィーリングを習得して行ったら良いと思い、 このblogで記録しながら共有してます。 まぁフィーリング(感覚)の話なので、習得には個々人の訓練と慣れが必要になってきます。   そんな今回は、 1番 簡単に アフリカ人フィーリングに近づける方法! 題して 「アフリカ人的リスムの感じ方」 。 それを一言で言うと、 「アフリカ人達は、リズムを最小限で捉えようとする」 と言うことになる。 「リスムを最小限?捉える?」となると思うので、ここで例を、 (B=ベース。T=トニック。S=スラップ。) KUKU (4/4) ジャンベ アコンパ ①は通常どおり、リズム譜にリズムを記したもの。 ②は日本人的リズムの捉え方。 B(ベース)をリズムの頭と捉えて「ドントトッ カッ」とリズムを出している。 この場合、8拍あるうちの、7拍分がリズムへの集中力となり、1拍が休憩となる。 ③はアフリカ人的リズムの捉え方。 S(スラップ)を頭と捉えて、「カッ ドントトッ」とリズムを出している。 この場合、リズムの集中力が6拍分、2拍が休憩となる。 同じリズムではあるが、捉え方によって、休憩できる拍が変わってくる。

ンゴニのすすめ

 今日はンゴニを皆さんにおすすめしたいと思います。 ンゴニの良さを語る前に、ンゴニの簡単な説明をしておく必要がありますね。  ンゴニとは西アフリカで演奏されている弦楽器の事で、直訳すると「ハープ」の事。 それを扱う、人間の種類によって、3種類に分類されています。  狩人の使う「ドンソンゴニ」    グリオ(ジェリ)の使う「ジェリンゴニ」  若者(誰でも)が使える「カマレンゴニ」。  アフリカの社会には、インドのカースト制とまでは行かないが、世襲制の職業がある。 音楽家や、鍛冶屋、狩人など、専門色が強くなればなるほど、現在まで残っています。 ドンソンゴニ(donso ngoni)  広大で乾燥した土地にあるアフリカでは、食べ物を持って来てくれる狩人(ドンソ)に 畏敬の念を抱いている。  彼らは、狩りをするだけでなく、医者であり、呪術師であり、音楽家でもある。 命を扱うドンソに、目には見えない力を人々が望んだのか? 命を扱うごとに、見えない力が芽生えてくるのか?  ドンソは見えない力を使って、自然に感謝し、人々を癒し、時に人を呪い、 歴史や自然の教えてくれた法則などを、人々に伝える。  その時、ドンソは猟銃をドンソンゴニに持ち替えて、語り、唄を歌い、大地を舞う。 ジェリンゴニ(djeli ngoni)  グリオやジェリと呼ばれるアフリカの世襲制のミュージシャンは現在、 グローバル化により世界中に飛び散り、各地でアフリカの文化を伝達していている。 彼らは、お父さんもおじいさんも、そのまたおじいさんもグリオであり、一昔前まで、 グリオは歩く図書館として、アフリカの大地を旅しながら、 各地に歴史や歌を届けていた。  そんなグリオ達が使っているンゴニがジェリンゴニである。  グリオによっては王様のお抱え音楽家として、王様が眠る為にコラという弦楽器を 弾いたり。バラフォン(木琴)や太鼓系など、家系によって扱う楽器も様々だ。  マリからガンビアまで、大河二ジェール沿いを中心にグリオの歩いた道と