今まで、国内外で色んなンゴニに触れることがあったが、
どのンゴニを触っても、それぞれ違う音がする。
まぁ、当たり前の話だが、自然が作り出した不揃いの産物を使っているし、
製作者それぞれの環境の背景が変われば、楽器の形も多少変わってくる。
カマレンゴニ(若者のンゴニ)は特に、楽器発祥の意味が「自由」なだけあって、
西アフリカに広く分布して制作されており、それぞれの民族の歌を演奏している。
一応「8本以上の弦になった時にカマレンゴニとなる」と僕は認識してるのだが、
現在国内で流通しているカマレンゴニ大別すると、3種類のスタイルがあるようだ。
ギニアスタイル・・・8本弦が多い。半分のカラバスを縫い付けてボディを作っ
ている。これはこの地域のカラバスの処理方法が、真っ二つに切ることに由来する。
ギニア都市部に多く、チューニングは7音階バラフォンに合わせた、オリジナルの
チューニングが多い。サウンドホールは右。
ブルキナスタイル・・・8本弦から12本弦、14、16本と現在は本数が増え
ている傾向にある。大きめのカラバス(瓢箪)を丸々使用。ブルキナ第二の都市、
ボボジュラッソでは特に盛んに演奏されている。チューニングはペンタトニックの
バラフォンに合わせた、5音階になっている。サウンドホールは右。
マリスタイル・・・8本から12本、ブルキナのものと比べると、比較的小ぶり
で、サウンドホールは左に付いている。これは一番高い音を左で弾く事を意味する。
カラバスは丸々使用。カマレンンゴニ発祥の地、ワソロン地方では特におどろおどろしい
ドンソンゴニの様な伝統楽器感が出ている。駒は3方向から紐で
固定されてることが多い。
どの楽器も、それぞれの良さがあり、しかしながらやはりそれぞれの音色を持っている。
そんな、アコースティック楽器の持つ音色を大きく決定しているものに「重さ」がある。
一応経験から、
軽い楽器はアコースティック向き、重い楽器はエレキ向きと認識しているが、
「果たして、一体どのように音色が違ってくるの?」という疑問と、
知りたい、試したい欲求が高まりまして、実験してみることにしました。
幸い、現在うちにはブルキナから送られてきたカラバスがいくつかあり、
その中で大分重さの違うカラバスがあったので、その二つを使って今回、
実験的にンゴニを作ってみようと思います。
スタイルとしては、ブルキナ、どちらも12本弦にしようと思います。
同じくらいの大きさのカラバスを用意しました。
一つ目、重さは618g。
そして二つ目は、なんと倍以上の1276g。
カラバスの他に、ンゴニの中で大きな比重を占めるのが、芯に使われる木。
こちらも重さの違う2種類の木を用意しました。
一方は、北米やロシア、寒い国からやってきた栂(つが)
そしてもう一つは、暖かい国インドネシアからやってきた、セランガンバツ。
一方は、北米やロシア、寒い国からやってきた栂(つが)
そしてもう一つは、暖かい国インドネシアからやってきた、セランガンバツ。
長さはどちらも122cmに揃えて、計測。
薄い色の方は、栂(つが)645g。
色が濃いめのセランガンバツの重さは、1071g。
この、重い方同士、軽い方同士を使って、それぞれンゴニに仕上げてみます。
見た目は、ほぼ同じですが、
左のライトくん(1263g)、右がヘビーくん(2347g)となります。
なお、この体重は素材としての、体重なので、完成後は多少変化すると思います。
製作者としても、これほどあからさまに、重さを変えて比較できる経験は、
そうないと思うので、結果が楽しみです。
制作過程報告と共に、完成後の比較動画をお楽しみに!
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