ジャンベは手で叩く太鼓である。
そして手のぶつかり方や叩く位置によって音色が変わる。
その音色の違いで、リズムを言葉の様に扱う人をジャンベフォラと呼ぶ。
音の事をマンデン文化では「カン」と言う。
声や言葉の事もまた「カン」と呼ぶ。
これはジャンベを叩く上で、凄く重要な考え方かもしれない。
つまり、楽器の音を奏でる事も、唄い話す事も同列にあると言うこと。
アフリカでジャンベフォラと呼ばれる人達は、みんな自分の声(音)を持っている。
例え同じジャンベであろうと、叩き手によってその声は変わる。
体型、体格、手の形、大きさによっても、勿論違うが、
おっとりさんか、せっかちさんか、と言ったような性質も関係している。
だから色んな意味で、
自分と似た性質を持つ先生に付くことは上達の近道なんだと思う。
自己流で突き詰めたい人も、色んな叩き手の叩き方を見ると、分かることが多い。
まぁ、色々な情報を詰め込み過ぎて、
どれが正解なの?となることもあるかも知れませんが、
要は、情報を感覚として自分に落とさないと意味は無いのです。
「今いい音した」と思ったら、その感覚を忘れない様に、
色んな感覚を駆使して身体に染み込ませるしか無いのです。
と、まぁ偉そうに述べてる僕ですが、
17年叩いててもまだ自分の理想の声にはおよびません。
それでも、自分が感じて来た叩き方のコツを参考にしてもらえばと。
技術的な話の前に、ジャンベを叩く前にもう一度確認しておきたいこと。
1・リラックス出来てるか?
肉体的に首、肩、腕、手、指に過剰な力が入っていると、上手く音は出ない。
上半身の準備体操などをすると解れる。
精神的にも、何か引っ掛ってる時や、怒ってる時、心配事があると集中出来ない。
2・元々何のための太鼓なのかを知る。
アフリカでは農耕だったり、成長を祝ったり、結婚式など、
あらゆる人間の喜びを表す場面にジャンベは登場する。
だから喜びから生まれたアフリカのリズムの中には
基本その感情まで連れて行ってくれる仕掛けがある。
それを分かる為には、背景を知ることももちろん大切だが、
自分の固定観念を捨て、素直に感じることも大切だと思う。
3・「太鼓を鳴かす」のではなく「太鼓を鳴らす」
「力を入れたら大きな音が出るんでしょ?」と何と無く思いがちですが、
どれだけ力を入れても、当たりどころが悪ければ音は出ません。
逆に手の小さい赤ちゃんが、太鼓に手を置いただけで、
「キャンッ」と物凄い音がすることもあります。
ジャンベには鳴る場所があるのです。
その場所を見つけるには、力ずくよりも、小さい音を出す意識、
あるいはジャンベの頭を愛でる様に、探してみると良いのかもしれません。
それでは実際に技術編へ。
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