「楽器は買うもの」と思っているあなた。
楽器は意外にも簡単に作れます。
ピアノ、バイオリン、トランペット、エレキギター、、、
確かに構造の複雑な楽器は、ちゃんとした楽器屋さんに行って買うべきだし、
ジャンベやンゴニと言った民族楽器も、ちゃんと専門店で、詳しい人達に
聞いて、納得の楽器を見つけ、購入することが大切です。
しかし楽器を「音が出るというモノ」という大きな器でとらえたら、
空き缶も太鼓にもなるし、豆粒を入れた水筒はシェイカーになる。
子どもの頃、お茶碗をお箸で叩いて怒られた、とか工作の授業でが好きだった人なら
経験した事のある「あの感覚」をおすすめしたい。
そもそも僕が太鼓を始めるキッカケになったのは、ナンタという韓国の
ストンプを見たからである。ナンタとは厨房という世界観の中で、そこある皿や、
包丁でリズムを刻み、ストーリーと共に客を沸かせるエンタメ集団。
身の回りのモノで会場を一つにする可能性を見せつけられ、
当時の僕は一気にリズムの虜になった。
その帰りに入ったラーメン屋の店主の奏でるリズムを聞きながら、
厨房全体が楽器に見えたのを覚えてる。
そんな流れから、ジャンベに出会ったので、ドゥンドゥンなんかも買えない時代、
古道具屋で見つけた、ドラムセットを分解し、フェルトを張ってミュートさせた
ドゥンドゥンを作ってみたり、解体現場からもらった鉄板を曲げてベルにしたり、
憧れの音に近づける為に試行錯誤をしていたので、
楽器を作るという事に対しての敷居が低い方だったんだと思う。
「買えない現実」はあったものの、自分で楽器を作るという感覚が
ムクムクと僕の中で、動き始めた。
それが確信に変わったのが実際にアフリカに行ってからで、
アフリカ人のDIY精神溢れる楽器に出会ったり、
その楽器をちゃんと演奏すると、それは何とも立派なオリジナル楽器に聞こえるし、
ギニアでジャンベレッスンの際にドゥンドゥンプレイヤーが「バチとベル棒が無い」と、
席を外し、周囲をうろつき枝と石を拾って来た時には流石に驚いたが、
それでも結果、アンサンブルもグルーブも、バッチリ何の問題も無かった。
瓢箪を叩く。
木を叩く。
木と瓢箪を合わせたワサクンバ。
木をくり抜いたクリン。
木と皮と鉄で太鼓。
ひょうたんと木と皮でボロン。
ギニアで見た楽器はどれもギニア人にとって身近な素材から出来ていた。
素材それ単体だったり、足したり、掛け合わせる事で、楽器にする。
それは何の特別でも無い身近な物、だが魔法の様な特別な音楽を奏でる事もある。
そんな刺激を受け、日本に帰って来た僕は、
ゴンゴマ、ボロン、ンゴニ等、「やってみたい」と思ったら、
取りあえず身近なもので見よう見まねで作って見ては、試行錯誤を繰り返した。
その作業には、実際失敗作も多く、お金も時間も費やして来たが、
今の自分にとって無駄ではなかったと思っている。
「音が出ればいいでないの」精神も突き詰めてゆくと、
「どうしたらもっと音が良く鳴るんだろう」とチャンレンジ精神に変わり、
楽器の構造に意識を向ける事により、音の鳴る仕組みを理解できて来て、
「音の鳴る仕組みを理解」することで、
結果その楽器の鳴る鳴らし方が分かって来ます。
演奏の技術とはまた別の話ですが(笑)
楽器の事を理解して音を出そうという姿勢にはなると思います。
また、身近にあるモノを、楽器の素材にする事で、
それがゴミとか、物とかにしか見えていなかった既成の概念をも超越できます。
モノと自分の知恵が合わさって、出来た楽器はこの上なく可愛くもあります。
そんな訳で、楽器を作る事をおすすめしたい。
でも、おすすめされても「道具もないし、知識もない!」とお思いの方も多いかと
思います。そこで、、、、
来年から「アラカリ楽器作り寺小屋」なるものを開催しようと目論んでおります。
アフリカや世界の楽器、オリジナル楽器を、日本で身近にある素材で作る。
理想は月1回、年で12個の楽器を作る。
そして、年の最後に作った楽器を制作者のみんなでコンサート!
どこまで実現できるか分かりませんが、
興味のある方は、今後の動向に注目よろしくお願いします。
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