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ブルキナファソ②

今日旅の最終地であるコナクリに着きました。

予定より1ヶ月も遅れての到着。寄り道し過ぎちゃった。

しかし、首都はやっぱり違うね。便利便利。wi-fiが普通にあります。

時間的に大分時差がありますが、書き溜めて置いたものがあるので

ブルキナファソについての、思い出話。




さてドンソの村、ボゴラに降り立ちもう一つ驚いた事がありました。

それはここボゴラに住んでいる人は苗字が全員トラオレなのである。

つまり村人全員が親戚という、文字通りマイ ファミリー ビレッジなのである。

勿論村を出て行く人も、新たにファミリーになる人もいるが、現状は変らず、

村人はみんなトラオレって事らしい。濃い、濃い。

で、村の生活はというと、ただ生きる事を生きている様な感じ。

勿論、水道も電気もないから、自分の時間と労力を費やして、

衣食住を満たしてゆく。例えば生活必需品である水。

それを確保する為に、井戸まで行って、ポンプを使って水を組み上げる。

バケツに張った水をこぼさない様に頭に乗せて家まで運ぶ。

全てが肉体労働。しかしそこにリズムとバランスと笑いを織り交ぜ、

苦になる習慣を難なくこなしているから凄い。

例えば脱穀。これは特に女性の仕事で、村外れの大きな木の下に

脱穀&集会場があり、公共用の臼と杵が置いてある。

ボゴラでの主食はトウ(とうもろこしの粉をグルテン化させた様なもの)

なので、脱穀は必須、毎日の日課になる。

  一つの臼に1〜3人。臼はジャンベを思わせる形をしていて、

一人づつ突いていくんだけど、引の時に何気なく臼の端に杵をぶつけて

音を出してリズムを作る。そうすると不思議とジャンベのアコンパイマ

に聴こえる。パタッピティパッパタッピティパッ。。。。

アフリカのリズムは生活の中から生まれたって言うのは本当の話。


でもそうやっているうちに日がくれ一日が終わってゆく。

しかし追われることは無く、ただ自然のリズムとともに生きている。

されど、そこにお金が交じり、しきたりや見栄、嫉妬心、、、

人間らしい感情もバシバシあるので、ただのシンプルとはいかない。

だからこそ、グリグリやまじない、プロテクションってゆう文化が

生まれたとも言える。

 ある日アブロが楽器の為の秘密の儀式をやろうと言い出した。

そりゃもう興味のある事なので即座にOKしたが、鶏を買うお金が欲しい

と言い出した。それも楽器と同じ数の5匹必要だとか。。。。。

こっちでは一匹500円位で買えるから、金銭的には問題なかったけど、

嫌な予感。

   夕方、鶏を携えてヤヤが帰って来た。ヤヤの家の前に楽器を並べ、

部屋の中に呼ばれた。例の儀式台の前に座ったヤヤの手には一匹の鶏。

それを手渡され(思えば生まれて初めて生きた鶏を持った。温かかった)、

自分がどうなりたいのかを語りかけろと言う。

それが終わるとドンソンゴニの呪術的なループが部屋中に響き渡り、

ヤヤがナイフを手に鶏の首を掻き切る。流れ出す血を儀式台に捧げ、

外に鶏を放つ。首を切られてもなお鶏は羽ばたこうとする。

痛々しいほどにそこらじゅうを暴れ回り、最後には力尽きて動かなくなる。

そしてその向き(仰向けなのか腹ばいなのか)によって、願いが叶ったか、

叶わないのかが分かるらしい。周りのみんながサッカーの試合を見る様に

喜んでいるので、どうやら願いは受け入れられたらしい。。

目の前の衝撃にショックを隠せず、ただ立ち尽くしているとアブロ一言、

「日本では鳥肉食べないのか?食べる為に殺すのは自然な事でしょ。」と。

「パック詰めの鳥肉しか見たことない。」何て言えなかった。。。。


その夜の晩御飯は言うまでもなく焼き鳥でした。美味しく頂きました。








  

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